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藤井哲信 藍のレースガラス
レースパターンにしてガラスの文様にしています。いわゆるレースグラス*です。藍色と白色などのレースがゆらゆらと、
あるいはクルクルと、透明ガラスの中にパターンを描き出します。
心やすらぐ藍色と心ときめくレースパターンが一体となって、観るもの、使うものに
静かな心地よさを感じさせてくれます。
*レースグラス:14-15世紀からイタリア、ヴェネツィアで制作されたガラス器のひとつ。
ムラノ島に集められた職人の手になり、その技法は、門外不出とされていた。
日本ガラス工芸協会会員
- 1956
- 徳島県生まれ
- 1989
- 能登島ガラス工房で吹きガラスを学ぶ
- 1990~1997
- 新島国際ガラスアートフェスティバルに参加
D・マリオーニ、R.キング、W・モリス氏らに学ぶ
- 1994
- 淡交ビエンナーレ茶道美術公募展奨励賞
2004 国際ガラス展・金沢入選
- 2004
- 国際ガラス展・金沢入選
- 2005
- 徳島県美術展60回記念大賞受賞
- 2008
- 日本伝統工芸展入選
- 2014
- テーブルウエア大賞 「宮田亮平審査員賞」受賞
藤井さんに「ガラス工芸との関わり」についてお話しいただきました。
* 初めてガラスに興味をもったのは・・・
私が初めて興味を持ったのは、正倉院御物や、古代ローマ遺跡から発掘されたガラスを教科書で見た時からです。それらは身の回りにある窓ガラスやコップと違い、銀化して不透明だったり、ゆがんでいたり、興味をそそられる不思議なガラスたちでした。
*ガラス制作の技術を習得・・・
月日が流れ、30歳を過ぎた頃、たまたまデパートで由水常雄氏の個展に遇い、そこに置かれてあった、能登島ガラス工房のパンフレットを見て、門をたたいたのが、ガラスと関わる第一歩でした。初めてさわった溶けたガラスは、全く手に負えないのに、面白くて楽しくて、すぐに虜になりました。
・Photo by Y. Kishida
その後は徳島ガラススタジオで、教わりながら制作していましたが、ある日、小さな新聞記事に目が止まりました。そこには「新島・ワークショップ・デイルチフリー」などと、聞いたことのない単語で、ガラスの紹介がされていたのです。それが新島ガラスアートセンターとの出会いで、以後、毎年開かれる、新島国際ガラスアートフェスティバルに8年通いました。
・Photo by M. Nishioka
*レースガラスのと出会い
いろいろな作家に、たくさんの事を教えてもらいました。そのうちの1つが、レースガラスです。初めて見た時の驚きと感動は忘れられません。レース棒を引くには相方が必要ですので、しばらくは手も付けられなかったのですが、徳島ガラススタジオの友人と練習を始めて、道具なども工夫して、少しずつ上達しました。難しいから、挑戦のしがいがあって、ずっと続けています。
・by M. Nishioka ・by Y. Kishida
*ふるさとへの思いと藍色
私の作品づくりのコンセプトの1つに、“藍色”がありますが、それはかつて藍で栄えたふるさとを大切にしたいという思いがあるからです。また吹きガラスのふるさとはヴェネチアで、そこであみ出されたレースガラス技法だから、
・by M. Nishioka
“ふるさとの藍色を大切にし、吹きガラスのふるさとヴェネチアに思いを寄せて、レースガラスの作品をつくる”
を続けています。
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